独自考案の掛軸風・禅僧の墨蹟カレンダーを中心に各種美術カレンダーの販売や美術工芸品の企画・制作・販売を行っている京都の株式会社日芸企画です。
『お香』について
1:「お香」の歴史
お香の歴史は、古く人類が火を使うようになった時から始まったと云われており、お香の原料は主に木の幹や樹脂、根、茎などであるが、麝香(じゃこう)〈オス鹿〉や貝香〈巻貝〉といったものもあり、原料の産地はほとんどがインドや東南アジアである。
日本では、古く平安時代に貴族たちが香料を調合して薫物(たきもの)や衣香(えこう)などで楽しんでおり、今日まで幅広く楽しまれている。
薫物(たきもの)で代表的なものが、「六種(むくさ)の薫物(たきもの)」と呼ばれるもので、黒方(くろぼう)・梅花(ばいか)・荷葉(かよう)・菊花(きっか)・侍従(じじゅう)・落葉(おちば)の六種類の香りがある。それぞれの香りは数種類の香木を調合して四季の季節感を表している。
 ・黒方(くろぼう):四季を通じたイメージの香りで、祝儀用にも用いられる
 ・梅花(ばいか):春のイメージの香り
 ・荷葉(かよう):夏のイメージの香り
 ・菊花(きっか):秋のイメージの香り
 ・侍従(じじゅう):冬のイメージの香り
 ・落葉(おちば):冬のイメージの香り
 
2:「お香」原料の産地
参考品(左) 香炉(右)
 
沈香(じんこう) 沈香(じんこう)
ジンチョウゲ科の常緑高木の樹脂分が残ったものを総称して沈香という。
ベトナム・タイ・インドネシア・マレーシア等の東南アジアの国々に産出。
白檀(びゃくだん) 白檀(びゃくだん)
ビャクダン科の常緑樹。インド・マイソール産が最高品。角割や小刻にしてそのまま焚いて香りを聞く。またほとんどのお香の主原料になっている。
インドのほか、インドネシア・オーストラリアなど広く分布。
桂皮(けいひ) 桂皮(けいひ)
クスノキ科。中国・ベトナムなどで産出。香料・食品香料として重用される。
丁字(ちょうじ) 丁字(ちょうじ)
フトモモ科。グローブ。蕾(つぼみ)を乾燥して使用。
古来より代表的なスパイス。インドネシア・アフリカザンジバルで産出。
大茴香(だいういきょう) 大茴香(だいういきょう)
モクレン科の常緑樹。スターアニス。爽やかな清涼感のある香り。香辛料としても有名。
龍脳(りゅうのう) 龍脳(りゅうのう)
フタバガキ科の常緑高木の芯部に溜まる芳香性の結晶。防虫効果あり。インドネシア原産。
山奈(さんな) 山奈(さんな)
インドから中国南部に自生するショウガ科の多年草の根、茎を使用。涼しさのある香り。
甘松(かんしょう) 甘松(かんしょう)
オミナエシ科の草木の根や茎を乾燥して使用。
中国・インド等より産出。
藿香(かっこう) 藿香(かっこう)
南アジア原産の多年草を乾燥させて使用。
安息香(あんそくこう) 安息香(あんそくこう)
エゴノキ科の樹木の樹液。樹皮に傷をつけて、樹脂を集めて採集する。保香、安定剤。
伽羅(きゃら) 伽羅(きゃら)
沈香の中で特に樹脂分に富む上質のものを伽羅と呼んでいる。ベトナム産。
貝香(かいこう) 貝香(かいこう)
巻貝のフタ。保香剤。アフリカ東海岸で採れるものが良質。
麝香(じゃこう) 麝香(じゃこう)
麝香鹿のオスの香嚢(こうのう)より分泌される分泌物。強い香り。シベリア地方など広く分布。
 
3:「お香」の種類
1、 直接火を付けるタイプ
@スティックタイプ:室内用線香や仏事用線香など最も一般的なタイプ。
Aコーンタイプ:約2〜3cmの円錐形に固めたもので先端に火を付けるタイプ。
B渦巻きタイプ:蚊取り線香のような渦を巻いているタイプ。
2、 間接的に熱を加えるタイプ
@ 香木(こうぼく):いい香りのする木のことで、代表的なものに沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)、
 伽羅(きゃら)などがある。
A 印香(いんこう):粉末にした香料を花形など色々な形に押し固めたもの。
3、 常温で香るタイプ
@ 匂い袋:天然香料を刻んで調合して、布の子袋に詰めたもので、身につけて香りを楽しむ。
4、 お寺などで使われるタイプ
@ 長尺線香:経文を唱えたり、坐禅を組んだりする時間を線香1本が燃え尽きる迄と定め、
 その時間を計る為に用いる。
A 焼香(しょうこう):香木や薬香料などを細かく刻んで混ぜたもの。仏教において、香を焚くことで、
 塗香(ずこう)に対する言葉。
B 塗香(ずこう):仏像や修行者の身体に塗ってけがれを除くこと。清め香とも云う。
 数種の香木を混ぜて粉末にし、粉末のまま乾燥させたものと浄水を混ぜて練香としたものがある。
C 抹香(まっこう):粉末状のもので、かつては沈香や白檀などを混ぜたが、現在は樒(しきみ)の樹皮と
 葉を乾燥して粉末にしたものが用いられる。
 
4:「お香」の楽しみ方
お香の楽しみ方には、室内に香りを漂わせる「空薫(そらだき)」と掌中の香りを静かに嗅ぐ〈鑑賞する〉「聞香(もんこう)」がある。
空薫は香炉と灰、香炭(こうたん)を使い、香木に直接火を付けるのではなく、香木を香炭で薫じて残る香りを楽しむ方法。
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